『新幹線変形ロボ シンカリオン』シリーズ10周年を記念して開催された、TVアニメ第1期・第2期のスタッフトークショー「超進化研究所のないしょ話」。
先日公開した前編に引き続き、2/8(日)に行われたトークショーの一部を、イベントレポートとしてお届けします。
★イベント概要:https://www.shinkalion.com/series3/news/2912/
TVアニメ第1期・第2期を通じて記憶に残るエピソードを、初出し情報も含めて登壇者が語るこのコーナー。
このレポートでは、第1部・第2部で語られた全8つのトークテーマのうち、4つの内容をご紹介します。
<登壇者>
・池添隆博(監督)
・あおのゆか(キャラクターデザイン)
・山野井創(制作)
・鈴木寿広(プロデューサー)
大きな反響をいただいた『エヴァンゲリオン』シリーズとのコラボ回は、第1期の第17話・第31話、第2期の第21話と、合計3度に渡って放送させていただきました。
当初、第1期の第17話についてはラッピングされた新幹線車両「500 TYPE EVA」を登場させ、更に「残酷な天使のテーゼ」を流せたらラッキー…くらいに考えており、第31話も通常のエピソード回として放送する想定でした。そのため、実は第31話に関するオファーをしたのは、第1話の放送が始まってからでしたね。
巨大怪物体も第31話用に準備を進めていたものがあり、当初は甲子園球場が変形した巨大怪物体が登場予定でした。ダイヤモンド型の身体から手足が生え、バットとグローブを持ったデザインだったので、これが実現していたら危うくバトルシーンで野球をするところでした(笑)
これまで公開されてこなかった、キャラクターたちの初期デザイン案を大公開!今回は特別に、レポートでもその一部をご紹介します。
ハヤトについては、当初『キャプテン翼』の大空翼のようなたたずまい・空気感という話を伺っていたので、今とはちょっと違う方向性のデザインも考えていました。
現在のハヤトとかなり近くなってきているデザイン案です。
ハヤトの表情や描写のバリエーションを探るために色々描いてみましたが、『シンカリオン』はリアルな世界を描く作品のため、あまり記号的な表現(簡略化・等身が小さくなるなど)はしたくないという池添監督からの要望もあり、×印のつけた案はボツになりました。
アブトについては、実は最初シナリオを読んでタレ目でもいいかなと思い、そちらの方向でデザインを作っていました。髪色についても、宇宙人という設定を踏まえて水色を提案していましたが、少し現実離れしているため、リアルに近い別案として金髪Ver.も作ってみたりしていました。
目をつり目にした案です。
アブトの生い立ちを踏まえて表情に“寂しさ”のようなものが欲しいというリクエストを池添監督からいただいたため、最終的につり目のデザインとなりました。
最も記憶に残る「漢気企画」は、第1期第76話制作のためのロケハンです。
(※漢気企画=山野井さんが気合いと根性で難しい局面を乗り越え、実現した企画のこと。シンカリオンスタッフの中では、山野井さんに感謝を込めつつ通称「漢気企画」と呼ばれています)
今まで全国津々浦々ロケハンに行きましたが、中でもいちばんきつかったのがこのロケハンでした。
シリーズ構成の下山さんから、第1期の最終話である第74話に九州新幹線の開業CMをオマージュしたシーンを入れたいという要望があり、実際に新幹線が走行するルートや新幹線が見える沿道の位置、沿道から新幹線を見ている人の視点等々を踏まえて、そのシーンに必要な背景用の参考写真を撮るため1泊2日でロケハンをしました。
『シンカリオン』は現代の日本をリアルに描くことを大事にしている作品なので、中途半端な描写はできません。全国に住む視聴者が自分たちの町をちゃんと描いてもらえなかったら悲しむだろうと思い、新幹線が人の目線の高さで見られそうな場所・沿道を調べ、Google Mapのストリートビューでイメージを確認・位置を特定し、新幹線の中からの視点で背景作画用の写真を撮り、降車して今度は車で逆視点の写真を撮りに行く…ということをやったのですが……かなり大変な作業でした。
当時は制作も佳境でスケジュールの余裕も無かったため、大宮から岡山県の相生駅までのルートを1泊2日で、かつ1人でこなさないとならず、とてもハードだった思い出です。
第1期の各話タイトルは「〇〇!!△△△△」というフォーマットでタイトルをつけており、脚本家の方から案をもらったり、監督・プロデューサー陣で案を出したりしながら決めていきましたが、毎回タイトル決めはかなり盛り上がった記憶があります。
例えば、第45話『山形!!シノブが運転士脱退!?』や第56話『豆!!鬼のセイリュウ』などは、今見返してみるとかなり勢いでつけた感じがありますね(笑)
第50話くらいまでは脚本家の山下さんが案を出してくれていましたが、当日ステージ観覧をしていた山下さんに話を伺ったところ、意識的に「東西南北」を入れていたという、池添監督たちも初めて知る新情報も飛び出しました。(第15話、第17話、第36話、第42話)
イベントでは、このイベントに合わせてキャラクターデザイン・あおのさんが描き下ろしたイラストをサプライズで披露する場面も。
第1期と第2期のキャラクターたちが一堂に会するイラストを描いてみたかったという想いを込めて、当日の朝まで(!)描いてくださったイラストに会場内も非常に盛り上がりました。
https://x.com/shinkalion/status/2022234296694591868?s=20
今回も、タイトル通り世の中に出していない「ないしょ話」満載でお届けしたスタッフトークショー。
残念ながらご参加いただけなかった皆さまも、ぜひこちらのレポートで少しでもお楽しみいただけたら幸いです!